30MN大型構造物試験機
構造物設計の力学的挙動の研究は、構造の力学的な解析とこれを裏づける実験によって発達してきた。
理論解析の面では、コンピュータによってより複雑な構造解析が可能となり、これに対応すべき実験もより高度な手法が要求される。特に材料の塑性域を含む非線形の領域では、小さな模型試験体から実際の構造物の挙動を類推できない場合が多く、理論をとびこえて実際の構造物を作りあげることが必要な場合もある。このような場合には、実大かこれに近い大きさの試験体で実験する必要があり、試験機もこれに見合った大型となる。
本機は、以上のような目的で製作(島津製作所)された構造物試験機で、実験を行う上で次のような特徴をもっている。
- 主柱の内法間隔が広く、大きな試験体が実験できる
- ベッドが床面に固定しているので実験が安易であり、22mと10mの直交ベッドによって複雑な試験体をセットできる
- 圧縮・引張を連続繰り返して加力でき、レンジや荷重制御・変位制御がコンピュータで行える
- 4本のラムの制御によって偏心加力ができる
仕様書作成には約8か月、設計から納入までに約3年を要した。

試験機本体の主要仕様
| 最大容量 |
圧 縮 引 張 曲 げ |
30MN 10MN 正曲げ 6MN,逆曲げ 3MN |
| 荷重レンジ |
1.2MN,3MN,6MN, 12MN,30MN |
|
| 荷重計測方式 | シリンダ内圧測定式 | |
| 主柱 |
本 数 内法寸法 |
4 3m × 3.6m |
| ラム |
位 置 本 数 ストローク |
下ラム 圧縮用 4本,引張用 1本 1m |
| 耐圧盤間隔 | 最大10m | |
| ベッド |
寸 法 レベル |
X方向 22m,Y方向 10m 床面 |
| 試験空間 |
圧縮・引張とも同一空間で試験可能 圧縮・引張方向の連続載荷可能 |

各種試験装置
|
圧縮試験装置 (耐圧盤) |
寸 法 平行調整 下部耐圧盤 球 座 |
2m × 2m(上下とも) 斜板調整方式(上下とも),傾斜角30分 油圧走行式 1.2m × 1.2m(上下とも) |
| 引張試験装置 |
ピン間隔 ピンの操作 チャック間隔 |
ピン中心間で8m以上 油圧式 端面間で6m以上 |
| 曲げ試験装置 |
最大モーメント
最大曲げスパン |
正曲げ 30MN-m(6MN×20/4m) 逆曲げ 15MN-m(3MN×20/4m) X方向20m,Y方向8m |

計測・制御
|
荷重表示計 (アナログ) |
変更ひょう量 最小目盛 精 度 応答速度 |
5段,載荷途中で切替可能 1/1200 ひょう量の1/5以上で指示値の±1%以内(NK相当) フルスケール指示で5秒以内 |
|
荷重表示計 (デジタル) |
形 式 桁 数 変更ひょう量 精 度 |
荷重指示計(アナログ)指針より検出 5桁 5段 ひょう量の1/5以上で指示値の±1%以内 |
|
ラム変位計 (デジタル) |
測定範囲 精 度 分解度 桁 数 |
0~1000mm 絶対位置 ±0.5mm,相対位置 ±0.1mm 1/1000mm 6桁 |
|
ラム変速計 (アナログ) |
測定範囲 測定精度 |
ラム最大速度 ±0.5mm/min 以下 |
|
荷重速度計 (アナログ) |
測定範囲 測定精度 |
0~±99.9%/min 以上 ±5%/min 以下 |
| 偏心モーメント |
許容モーメント内で3段, 安全装置付き |

プログラム制御
| 一定荷重保持 |
設定範囲 精 度 変 動 |
全ひょう量 ±0.5% 以下 ±0.1% 以下 |
| ラム位置保持 |
設定範囲 精 度 変 動 |
0~1000mm ±0.5mm 以下 ±0.1mm 以下 |
| 繰返しおよび負荷速度一定 |
荷重速度 ラム速度 ひずみ速度
|
0.002~1フルスケール/min 0.002~1フルスケール/min 0.002~1フルスケール/min 但し ひずみ計附属の場合(別途) |
試験機立面と作動原理
クロスヘッドを地下に設置された油圧シリンダで主柱を介して上方へ押し上げまたは下方へ引き下げることによって、ベッドとの間に入れた供試体に引張・圧縮または曲げ荷重を加えることができる。
油圧シリンダは圧縮用4基(25MPa/cm2)で30MN、引張用1基(29MPa/cm2)で最大10MNの荷重を発生させる。
荷重の測定は、油圧シリンダの油圧を計測シリンダへ導き、一連のレバー系と移動重錘および平衡ビームからなる自動平衡計測機構によってアナログおよびデジタル表示させる。

